日本とシンガポールの文化の違いにはどんなものがあるのか、3年間だけですが現地で生活して感じたことを、備忘も兼ねてまとめてみました。
シンガポールと日本の共通点と異なる点
シンガポール国民の7割以上は中華系の人々のため、その点人種的にも文化的にも、世界的に見れば日本とかなり近い国と言えますし、先進国である点でも、日本とシンガポールは比較的似ています。
・ 東アジア(シンガポールは中華系が多い)の民族・文化
・ 経済発展を遂げた先進国
そのため、世界的に見れば、シンガポールは日本との文化の違いが最も少ない国の一つと言え、実際、現地で生活していてもそれほど大きなカルチャーショックは多くありません。
欧米諸国やアフリカ、西・中央アジア、また東南アジアでも途上国などに住んだことのある日本人からすると、「日本とほとんど同じじゃん。」と思われることでしょう。
とは言え、シンガポール生活の中でも、ちょっとした文化の違いは多々あります。
具体的には次の章で挙げますが、まずその要因として、以下のような根本的な違いがあると考えられます。
・ 赤道直下の熱帯性気候。
・ 中華系・マレー系・インド系からなる多民族国家であり、
また、外国人居住者が住民の3割という多様性。
・ 高度に管理された都市国家という政治的特殊性。
また、先に似ている点として挙げた「東アジア(中華系)文化」も、世界的には比較的日本と近いとはいえ異なる点も多くあるため、そこに由来する文化の違いも多くあります。
シンガポールで感じた文化の違い
(↑カワウソ注意の看板。街中にカワウソが住むシンガポール。)
それでは具体的に、シンガポール生活の中で感じた日本との文化の違いを挙げてみたいと思います。
ちなみに私自身は当時ただの駐在妻で仕事をしておらず、シンガポーリアンとの関わりは主に所属していたローカル合唱団だったので、そんな生活、活動範囲で見たことだけになっていますが悪しからず。。
肌の露出度が高い
若い女の子が肩を全部出した服を着ていたり、脚も付け根あたりまで全部出た短パンでいるのを街や電車でよく見かけます。
また若者だけでなく、知人の60代女性も、膝上丈のタイトスカートに生足、というスタイルを普通にしていますが、これをその年齢で日本でやるのはなかなか勇気が要るので、文化・気候の違いだなぁと感じます。
「○歳くらいになったら、もうこういう格好はみっともない。」という基準が違うのです。
実際私も、30代になってからシンガポールに住みましたが、もう一生着れないだろうし捨てようかと思っていた大学生の時の短い丈のスカートやカジュアルな服を、再び気兼ねなく着ることができました。
赤道直下のシンガポール。そりゃあ暑いので露出度が高いのも当然と言えば当然ですが、
一方、建物の中は冷房ガンガンで寒いので、カーディガンなどを羽織るものが必要になるのでご注意を。
服の色がカラフル
次も服に関する違いで、シンガポールでは、原色の赤・黄・青・オレンジといった、明るい色の服を着ている人が多く居ます。
日本では原色の服を着ている人は、夏でもそれほど見かけませんし、特に冬は、ほぼ全員、黒・茶・グレー・白なので、そこからシンガポールに移動するとより違いが際立ち、「わー、みんなカラフルだなぁ。」と見入ってしまいます。
特に、中華系の人々が赤が好きな影響か、ローカル色の強いエリアでは、赤いポロシャツを着ている人が沢山居ます。休憩中のマックの店員さんかな?と思うような人がそこら中に居ます。
ちなみに私が所属していたローカル合唱団でも、イベントの日はお揃いの赤いポロシャツのユニフォームを着なければならず、それが日本人のファッションセンス的にはかなり嫌だったのですが、、皆は特に抵抗を感じていないようだったので、やはり文化の違い、ファッションセンスの違いだなぁと感じました。
ただ、街で売っている服が基本的に「シンプルな作りで派手な配色、露出高め」なので、個人的にそれほど欲しいと思う服がなく、ファッションに浪費をせずに済んだのはある意味よかったのかもしれません。。
ちなみに私がシンガポールで1番オシャレだと思っているのは、アラブストリートの隣りのHaji Laneで、この通りでは何枚かかわいいワンピースを買いました♪
こちらは旧正月時期のランジェリーショップ ↓
旧正月の時期は街中が赤いもので溢れるのですが、まさか下着屋さんまでこんなに赤くなるとは!
接客がカジュアル
これはむしろ日本の接客が丁寧すぎると言っていいと思いますが、シンガポールでの接客はもっとカジュアル、言ってしまえば雑です。
店員さんがレジの所で、ホーカーで買ってきたご飯を食べていたり、他の店員さんや近所の人と大声でしゃべりしながら対応したりということは普通にあります。
また、個人的に最初少しびっくりしたのが、スーパーのレジなどでこちらが何か言ったのが聞き取れなかったりすると、中国語的な発音で「あ⤴?」と言われることでした。
完全に喧嘩を売っているように聞こえますが、日本語で言う「はい?」ぐらいの感覚なのです。最初は少し怖かったものですが、これもしばらくすると慣れました。
公共の場でもイチャつく
日本ではあまり見かけませんが、シンガポールでは、ローカルのカップルがバスの中でキスしているのを見たり、また、エスカレーターで前後でイチャついているのはよく見かけます。
エスカレーターは、絶好のイチャつきポイントだと一般的に認識されている気がします。
シンガポールも日本と同じアジアなので、この辺りの文化もそれほど変わらないかと思いきや、意外ともっと欧米化しているようです。欧米の外国人在住者が多いことや、熱帯の開放的な空気も影響しているのかもしれません。
(↑シンガポールの公営団地HDBの風景。)
電車やバスの席は速攻で譲る
電車やバスに乗っていると、車内がそこそこ混んでいても優先席は空けてあることが多いし、座っていても、高齢の方などが電車に入ってくると速攻で席を譲る、その素早さ、瞬発力には、目を見張るものがあります。
理由は色々あると思いますが、考えられるのは、シンガポールはとても小さな国ゆえ日本ほど長時間電車に乗らないこと、理由は分からないけれど日本ほど揺れないので、座らなくてもそこまで苦ではないこと、があるように思います。
また、実はそれだけでなく、席を譲らずに居眠りしたりずっと無視して座っていたりすると、携帯で写真を撮られ、SNSにアップされてしまう事があるというシンガポールの闇もあるようです。この小さな国ではすぐに個人が特定されてしまうのです。おそろしやネットリンチ😱
もちろん純粋な思いやりで席を譲っている人も沢山いると思いますし、いずれにせよ、結果的に日本より席を譲りやすい雰囲気が形成されているのは良いことかなと思います!
夜は酒でなくデザート
友達と夜会う場合、日本だとお酒を飲みながらご飯を食べることが多いと思いますが、アルコールの値段が日本の2~3倍するシンガポール。
シンガポールの若者達は、ごはん屋さんで夕食を食べて、その後はアイスクリームなどのデザート屋さんへ行き、そこでまた色々おしゃべりをします。
実際、人気のデザート屋さんは昼間よりも夜の方が賑わっている印象です。
日本人の感覚で見ると、酒も飲まずによく夜遅くまでたむろしていられるなぁと思うことがあります😂。なんて健全。
飲み会・打ち上げがない
日本のような居酒屋文化がむしろ独特なので、公式に大勢で飲みに行くようなことはありません。
とは言え、気の合う人と仕事後に1~2杯だけ飲むという話は聞きますが、アルコールが高いシンガポールでは、それも日本や欧米ほど一般的ではないように感じます。
また、所属していた合唱団で感じたカルチャーショックの中で1番衝撃的だったのが、演奏会などの本番後の「打ち上げ」がないということでした。
日本なら必ずある「打ち上げ」。しかしシンガポールでは、本番が終わると、「じゃあね〜」と皆あっさり帰っていくので最初はびっくりしました。
しかしこれは、本番後も団内の仲間で飲みに行くのではなく、聴きに来てくれた友人達と合流して一緒にご飯を食べに行くというスタイルで、これはこれでむしろお客さん想いの良い習慣だな💡とも気づきました。
旅行が長い
欧米のような1ヶ月バケーションというほどではありませんが、年に一度、2週間くらい海外旅行に行く人はよく見かけます。
日本だと、1週間の休みですら夏休みと正月休みくらいしか取れないので、シンガポールでは休みが取りやすいんだなぁとつくづく感じます。
そしてその長期休暇でどこへ行っているかと言うと、日本へ行っている人が多く感じるのは気のせいではないと思います。
しょっちゅう転職している
これはシンガポールに限った話ではありませんし、人にもよりますが、日本よりも転職を頻繁にします。
日本でも転職が一般的になったとは言え、未だ転職回数が多いとネガティブなイメージを持たれることがありますが、そういった考えがあまりないシンガポール。
勿論何年も同じ会社で働き続けている人も沢山いますが、一方、1、2年ごとに転職しているんじゃないかというくらい、しょっちゅう転職をしている人も居ますし、それがおかしなことでもありません。
裸・着替えは見られたくない
日本のような温泉、大衆浴場の文化がないシンガポールの人々は、同性であっても裸を見られるのは抵抗があります。
数年前にKallang Wave Mallにできた日本発の温泉施設「湯の森」に一度行きましたが、若いシンガポーリアンの子達は人前ですっぽんぽんになるのに抵抗があるようで、そういう人向けに提供されている薄い網か布のような黒いブラとショーツを付けて入っていました。それを付けた状態でしっかり洗えているのかが少し気にはなりますが、、
また、所属していたローカル合唱団でも気づいた文化の違いがありました。
演奏会などの本番当日、衣装に着替える際、楽屋は男性・女性で分かれているので、日本だと楽屋でそのまま普通に着替えますが、シンガポーリアンは同性であれ皆の前で着替えるのに抵抗があるのか、いちいち衣装を持って楽屋内のトイレの個室へ一人ずつ入って着替えていました 😯
「なんて面倒臭いことを、、女性だけなんだし裸になるわけでもないし別にいいじゃん。。」と思いましたが、これも文化の違いなんだなと面白い発見でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
シンガポールで感じる文化の違いには、それほど大きなものはありませんが、細かい違いは日々よく発見します。
是非そんな違いを楽しみながら、シンガポール旅行、シンガポール生活を満喫してください♪